検査を希望される方へ 〜苦痛の少ない内視鏡とは〜

はじめに

内視鏡検査は予約をとられている患者さんを優先いたします。

現在、土曜日に胃カメラを希望される方が増加しています。
当院は事前に来院され内視鏡検査を予約している患者さんを優先致しますので、来院当日に必ず胃カメラができるとは限りませんので予めご了承ください。
なお、現在大腸カメラ検査は水曜、土曜(午前診療日)には行っておりません。

受診当日の胃カメラ検査を希望される場合は、十分に時間に余裕を持ってお越し下さい(お時間に余裕がない場合は、予約検査をお薦めさせていただきます。)。また、大腸カメラ検査は、宿便を流す処置が必須になり、前日から準備が必要ですので、事前診察が必要になります。一度準備の説明・予約を取りに受診してください。
鎮静剤・鎮痛剤を用いた内視鏡を希望される場合は, 判断力の低下や健忘などが1日持続しますので検査後、車やバイク、自転車などの運転や、危険を伴う作業(高いところに上るなど)はできません。車やバイク,自転車の運転での来院を控え、バス・タクシー、JRなどの公共交通機関をご利用下さい。

当院の内視鏡検査の特徴を見る

1. 鎮静・鎮痛剤を用いた内視鏡(麻酔下内視鏡)は こちら
2. 鼻からの胃カメラ は こちら
3. 口からの胃カメラ は こちら
4. 大腸カメラ は こちら

当院の内視鏡機材

 LASEREO 7000シリーズ(富士フィルム社)を採用しています。この光源はBLI(Blue LASER Imaging)LCI(Linked Color Imaging)という特殊な光を出すモードを搭載しており、二つのレーザー光を用いて食道・胃や、大腸の病気の部分を見つけやすくなったり、病変の診断がより容易になる機能になります。これにより適切な治療方針を決定するための大きな助けとなる『BLI拡大内視鏡検査』を行うことができるようになります。

 胃カメラ検査はEG-L580NW7(経鼻内視鏡)と、EG-L600ZW7(経口、拡大内視鏡)で行っています。左の鼻用カメラは鉛筆よりも細いカメラです。これにより検査の苦痛が最小限に抑えられます。右は口用カメラです。こちらは画質がよく、拡大内視鏡機能も搭載されているため、細かい、小さな病変を見つけたり、診断するのに適しています。

 大腸カメラはEC-L600ZP7 を備えております。「高追従挿入部」という機能を備えたカメラですので、曲がりが多い大腸に対してもスムーズにカメラを挿入を行うことができます。
こちらも、拡大内視鏡機能がついていますので、その場でポリープの質の診断が可能となっています。JW-2と合わせ送水機能もついており、内視鏡治療に移行することも可能となります。

左が鼻用、右が口用です。鉛筆と比較しました。

鎮静剤・鎮痛剤を用いた内視鏡ができます。

「患者さんの苦痛を最小限にし、早期に病気を見つけたい」、その一つの答えが ”鎮静剤・鎮痛剤を用いた内視鏡検査(いわゆる麻酔下内視鏡)” でした。内視鏡検査をしなくてもすむ患者さんはそう多くはありません。だからこそ内視鏡検査時の苦痛は無視できるものではありません。

 通常の咽頭麻酔(のどの麻酔)の他に、鎮静剤を注射し「ウトウトしている」状態で内視鏡検査を行うものです(全身麻酔ではありません)。心電図・酸素飽和度・血圧・脈拍をモニターしながら検査は行われますが、この方法はどこの病院でもすぐできる方法ではありません。検査後、休むスペースを十分に確保できない場合はできないからです。当院はこの点に配慮し、鎮静剤を使えるようにしました。他にも検査に伴う痛み、苦しみを最小限にする様々な工夫をしています。

鎮静剤・鎮痛剤を用いた麻酔下内視鏡の短所は

  • 鎮静剤の副作用が0%ではない
  • 検査前後に時間がかかる、医療費が(10割負担で)約3,500円、追加される。検査後は原則1時間程度院内で安静にする必要がある。
  • 検査中に受けた内視鏡の記憶が無いこと、検査中の自分の行動を覚えていないことが不安になることがある。
  • 検査後に車やバイク・自転車などの運転、機械操作、重要な仕事・判断、危険な仕事、作業などは不可。自宅に帰った後も外出などは原則控えていただき、安静を要する。
  • 付添の人が(原則)必要となる

ことがあげられます。これらを了承いただければ鎮静剤を使った検査ができます。当日(1日間)は眠気やふらつき、判断力・注意力の低下や、健忘症状(忘れやすくなる)が起こりえます。従って、お一人での歩行・帰宅はおすすめできません。同様に運転も禁止していますので、車やバイク、自転車などの運転はお控えください。検査後はバスやタクシーなどの公共交通機関でのご帰宅をご案内しており、自宅でも当日は外出を控え、安静にしていただくことをお願いしております(判断力が低下している場合や健忘症状がでる場合があるためです。)。同様の理由で高所作業や危険を伴う作業、責任重大な仕事などは1日できませんのでご了承ください。階段やお風呂も転倒の危険がありますので、場合によっては控えていただくことがあります。

※ なお、持病や年齢、転びやすさなどによって希望があっても鎮静剤・鎮痛剤の使用をお薦めしない場合がございますので、適宜ご相談ください。

炭酸ガスを使用した検査で、検査後の苦痛が減ります。

 胃や大腸は普段は空気が少なく、しぼんだ風船のような状態であり、内部は確認できません。検査中は当院は炭酸ガス(二酸化炭素)を注入し、検査しています。このガスは検査後は体内に速やかに吸収されます。そのため、検査後のおなかの張る感じをほとんど感じません。胃や大腸を膨らませた状態で病変を見逃さないように, 腸や胃を隅々まで観察することが見逃しを減らすのに最も効果的ですが,通常の空気を注入すると、残った空気がお腹が張った感じや、気持ち悪い感じを検査後に引き起こしてしまいます。内視鏡を受けられた経験がある方で、不快感が記憶にある方はこうした検査後の張る感じのせいかもしれません。

 当院は炭酸ガスを用いた検査を全例で行い、検査後の不快感に配慮しながら、かつ見逃しの少ない検査を提供できるよう心がけております。

これは院長が自分で何度も胃カメラ、大腸カメラを受け、検査の苦痛を体感し、患者さんが楽に検査を受けられる設備・環境はどういったものだろうか、と考え続けた結果であります。

炭酸ガス注入機です。

1. 胃カメラ ( 上部消化管内視鏡検査)

 朝食を摂らずにお越しいただければ、当日の胃カメラは可能です。
 また工夫すれば午後の胃カメラも当院では可能です。 午後しか予定が立てられない患者さんは一度ご来院いただき、お気軽にご相談ください。

1)鼻からのカメラ(経鼻内視鏡)

当院では細径内視鏡を用いて鼻からのカメラが可能です。以前の経鼻内視鏡は『細径だからよく見えない』と言った声も聴かれましたが、最新の機種は細径であっても死角となる部位はかなり少なくなってきています。

鼻からの内視鏡検査の特徴

・吐き気がでにくい(舌の付け根にカメラが当たりにくいので “オエッ” となりにくい。)
 → オエッとする反応(嘔吐反射といいます)は舌の付け根にカメラが触れることで起こります。口からカメラを入れると舌の付け根にカメラが触れるため、嘔吐反射が出やすいですが、鼻からでは触れにくいため、反射が出にくいです。

・画面を見ながら, 医師と会話ができる (口からカメラではないので、話せます)
 → 口からカメラではカメラが舌の動きを妨げるため、会話はできませんが、鼻からのカメラでは舌の動きを妨げませんので、検査中も会話が可能です。

・体への負担が少ない という特徴があります (血圧や脈拍が変化しにくいです。)
→ 反射が出にくいため、身体への負担も少ないことが知られています。

 

 

鼻からの内視鏡検査はこんな人におすすめします
  • オエッとなりやすい人(嘔吐反射が強い方)
  • 以前の口からの胃カメラがつらかった方で、検査当日、鎮静剤・鎮痛剤を用いた検査を受けることが難しい人

は鼻からの胃カメラをお薦めいたします。

鼻からの内視鏡検査はこんな人におすすめしません
  • 鼻血が出やすい方
  • 鼻道(鼻の中の道)が狭い人
  • アレルギー性鼻炎などをお持ちの方
  • (検査中処置になることが予め予想される方)

は痛みが出たり、鼻血が出たりする人もいます。鼻の中の道が狭いためです。こうした場合は無理せず口からの胃カメラへ切り替えます。鼻道が細い場合も見ればわかりますので、当院ではその場合口からのカメラへ変更し検査としています。何か異物を飲み込んだかもしれない、という患者さんや出血などが予想される患者さんの場合も処置が一切できないので、鼻からのカメラはお薦めしておりません。

2) 口からのカメラ(経口内視鏡)

 鼻からのカメラと比べると、撮影された写真がより綺麗なのは口からのカメラ(経口内視鏡)です。経口内視鏡は鼻からのカメラに比べ、太い(10mm弱)ですが、操作はしやすく、可能な処置や検査の種類が多いのが特徴です。

口からの内視鏡検査の特徴

  1. 狭帯域光観察を併用した、拡大内視鏡ができること』が最大の特徴です。
    カメラの先端から特殊な光を出し、カメラの先端についたズームレンズで病変を80-100倍まで拡大して表面をみる方法です。この方法は
    1.ピロリ菌がいる可能性があるか
    2.見
    ている病変がガンの可能性があるか
    の診断がしやすくなることが知られています。当院医師は拡大内視鏡を用いた内視鏡検査を長年行っており、この分野の教科書の執筆実績もございます。
  2. 胃の観察時の死角が少ない
  3. 検査中の操作もしやすいため、組織検査などがやりやすい

などが特徴です。

口からの内視鏡検査はこんな人におすすめします
  • 嘔吐反射が弱い方(オエッとならない人)
  • 鎮静剤・鎮痛剤を用いた検査を受けることができる方
  • 明らかに病変が存在していると思われる方
  • 緊急で処置を要する可能性がある

は経口内視鏡が良いと思われます。

口からの内視鏡検査はこんな人におすすめしません
  • オエッとなりやすい方(嘔吐反射が強い方) で、かつ どうしても車の運転や仕事の予定などが外せないなどの理由で鎮静・鎮痛剤を用いた内視鏡が受けられない方

は鼻からのカメラを受けることをお薦めしてします。


2.大腸カメラ (下部消化管内視鏡検査)

 大腸カメラは前日から,宿便を流す処置が必要になります。そのままの検査では肛門に便がありますので、ごく一部の観察しかできません。大腸すべてを見てくるためには便を流す前処置が必要になりますので、一度受診の上、予約が必須となります。
受診の際は、腸閉塞の危険性がないか、不整脈などを起こす危険性がないか、糖尿病などの検査に関与する持病をお持ちではないか、問診・診察・検査を行います。

当院での大腸カメラの準備

【検査前日】

朝、昼、晩の3食で腸の中に便がたまりにくい、大腸検査食を食べていただきます。これにより、腸の中に便が残りにくくなり、小さな病変も見つけやすくなります。さらに夜に ” 液体の下剤 ” を水に溶かして服用していただきます。

【検査当日】

 起床後から、あるいは病院に来院してから約2リットルの ” 腸管洗浄液 ” を服用します。
腸の宿便をすべて流し出したうえで、小病変も観察しやすくしてから肛門から内視鏡を挿入し、大腸の観察を行います。
洗浄液の種類は豊富に取りそろえております。前回の検査で飲むのがつらかった、などがありましても工夫できます。洗浄液の内服量を減らしたり、錠剤に変更したり、味を変えることもできますので、是非ご相談ください。
 なお、胃カメラ同様、準備してこられれば、希望により鎮静剤・鎮痛剤を用いることも可能です(麻酔下内視鏡)。これにより検査時の苦痛・不快感を減らすことが可能になります。(『鎮静剤・鎮痛剤を用いた内視鏡ができます』を参照ください) 

 

大腸前処置スペース

大腸カメラ検査の実際

 大腸カメラは、大腸深部(盲腸から小腸の終わり(回腸末端部))へ挿入するのに約5-10分ほどかかります。その後は、炭酸ガスを注入し、腸管を膨らませてから引き抜きながら内部を観察してきます。観察には約10-15分ほど時間がかかります。大腸のヒダをかき分けるように観察し、1-2mmのポリープも発見できるようになっています。さらに当院では検査時全例で、拡大内視鏡観察を行うことが可能です。これは内視鏡観察時にポリープの表面を80-100倍に拡大してみることで表面の模様を見て、診断してくる方法です。これは病変の適切な治療方針を決定する助けになります。

 逆に内視鏡の引き抜き時間が短すぎる場合はポリープの見落としが増えることが近年報告されておりますので、早い検査が良い検査、という訳ではありませんので、ご理解下さい。

 増大・悪性化(癌化)の恐れがあるポリープが存在している場合は、一部のポリープはその場で手術(コールドスネアポリペクトミー)することが可能です。これにより、検査を受けてポリープが発見された場合、日を改めて再度下剤を飲んでから切除するということがなく、一回の検査で完結できます。しかし、ポリープの数や大きさ、形によって、従来通りの短期入院・内視鏡治療をおすすめします。この場合は近隣の入院施設を併設する病院に紹介の上、内視鏡治療を受けていただきます。

 また、稀に大腸が長い方、癒着などによる痛みが強くでる方がおられます。
こうした場合に無理することで腸管に負担がかかりますので、大腸カメラが奥まで入らない場合があります。
その場合は特殊な長い内視鏡やCT検査での評価を必要とする場合があります。こうした場合も総合病院へ紹介させていただくことがございますのでご了承ください。

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