風邪は、風邪症候群といい、細菌やウイルスといった微生物に感染することによる、鼻や喉の炎症の総称です。風邪にも様々な原因がありますが、一般に治療は変わりませんので、その原因を追及することはあまり多くありません。風邪の約70~80%はウイルス感染で起こっており、どのウイルスが風邪の原因だったのかを特定することはとても困難です。
よって、一般に内服薬での治療を行い、自然改善を待つことがほとんどです。
症状
発熱 37.5度以上、頭痛、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳・痰などの症状がよく知られています。他にもウイルスの種類によっては関節の節々が強く痛みが出たり、お腹が緩くなったりすることもあります。
診断
一般には聴診、咽頭の視診や、問診でわかる症状から診断することがほとんどです。
ただし、症状によっては肺炎などに進行していないか、採血や胸部X線を追加することがあります。
治療方法
薬は、主に症状を和らげるための薬です。つまり症状に適した薬を選択して、処方する必要があります。
- 解熱・鎮痛・抗炎症薬: 発熱、筋肉の痛みを和らげる。
- 鎮咳薬: 咳を抑える
- 抗ヒスタミン薬: くしゃみ、鼻水、鼻づまりを抑える
- 去痰薬: 痰を出しやすくして咳を軽くする
- うがい薬: のどの痛み、口腔内の殺菌消毒
- トローチ薬: のどの粘膜を保護する
などを用いて、症状を和らげていきます。
市販薬は、これらの成分をわずかずつ配合したものと、のどの痛み、咳、鼻水、発熱などのそれぞれの症状に対応したものがありますので、それをご自分で選んで、薬局などで購入するようになります。
ただし、風邪のような症状を起こす、別の病気のこともあり、病院では他疾患かどうか常に念頭におきながら、診察・治療していきますので、症状の改善が2-3日しても診られない場合は病院受診されることをお勧めします。
発熱などにより汗をかいた際には多くの水分を失うことになるので、こまめに水分を補給することも大切です。この際体内にある多くの電解質も一緒に失うため、ポカリエットやOS-1などの電解質を多く含む飲料水を取るよう心掛けましょう。この際、糖分を多く含む飲料はくれぐれも飲み過ぎないようにします。また、風邪を引いたときには胃の負担を減らすためにも消化の良いお粥、うどんやスープなどを取るようにします。また免疫力を高め白血球の働きをサポートしてくれるビタミンC、気道粘膜を保護してくれるビタミンA、体を温めてくれるしょうがなどを積極的に取り、安静にして体力の回復・病気の治癒を待つことが重要です。