ヘリコバクター・ピロリ胃炎について

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症状

ピロリ菌が胃にいて, 胃の動きを悪くさせることがあります(H.pylori関連ディスペプシア)。その場合は, 食後の胃もたれや, 食後にすぐお腹が一杯になる, 胃の痛みなどを起こすことがあります。他にも胃潰瘍や十二指腸潰瘍を起こすと痛みがでることがありますが, 自覚症状はほとんどないことも少なくありません。


ピロリ菌感染が診断される流れは

  • バリウム検査や、ABC検診、ヘリコバクター・ピロリ抗体の採血結果で、ピロリ感染を疑う場合
  • 内視鏡検査を行った場合に,感染を疑って診断される場合

がほとんどを占めます。逆に, 内視鏡やバリウム検査など, 何らかの検査を受けないと診断することはかなり難しいと言えます。
また、保険診療においては, 内視鏡を受けてからでないと、ピロリ菌を内服薬で治療することはできません。

ピロリ菌が感染しているときの胃の粘膜の変化(萎縮性胃炎)

これは “胃がんが胃にないことを確認の上、除菌治療すべき” と考えられているからです。

診断

内視鏡で胃内を見てくることで、まずはピロリ菌が胃に感染していそうかどうか、判断してきます。

その上で、ピロリ菌が感染している可能性がある場合は感染の有無を診断する検査を受けて頂くことをお薦めいたします。当院では主に呼気検査と便中ピロリ抗原検査を採用しておりますが、個々の内服薬の内容や、持病に応じて感染の確認方法、治療の方法なども異なりますので、医師にこれらの情報は正確にお伝え頂けると幸いです。

治療方法

ピロリ菌が感染していることが確認できた場合は、除菌治療を受けられることをお薦めします。

内服薬を1週間、服用していただきますが、飲み忘れ・中断は除菌成功率を下げます。大切な治療の機会だと思ってきちんと内服して下さい。なお、喫煙も除菌成功率を下げると報告されています。

また、除菌治療に用いる抗生剤、胃薬は腎臓の機能の低下の程度によって減量が必要となります。また抗生剤も一部の不整脈をお持ちの患者さんには慎重に投与する必要がありますので、心電図や、腎臓の機能は確認の上、除菌治療の薬剤を選択して、治療します。

この病気に関してよくあるQ&A

1.ピロリ菌は、いつ、どうやって感染するのですか?
2.ピロリ菌は、大人になってからうつりますか?
3.ピロリ菌は、どうやって調べるのですか?
4.ピロリ菌の検査は、こどもにできますか?
5.ピロリ菌がいるかどうか調べたいのですが、どこの病院に行ったらいいですか?
6.ピロリ菌の治療は、ながくかかるのでしょうか?
7.ピロリ菌は一度治療したら、もうならないのですか?
8.ピロリ菌を退治すれば、胃がんにはなりませんか?
9.ペニシリンアレルギーがあるのですがピロリ菌治療できますか?
10.除菌治療をしたあとのデメリットはありますか?

1.ピロリ菌は、いつ、どうやって感染するのですか

ピロリ菌は子供のうちに、口から入りこんで感染します。昔は井戸水からの感染が多かったのですが、今は衛生環境の改善にともなって井戸水からの感染はほとんどなく、現在の主な感染経路は、家族内感染であり、お母さんやお父さんから赤ちゃんへの口移しの食事は、感染の原因となります。
すなわち、両親が胃癌になった場合は、お子さんもピロリ菌の確認は必ずした方がよい、ということです

2.ピロリ菌は大人になってからうつりますか

ピロリ菌は幼少の頃、小学校に入る前の年齢ぐらいで感染します。大人になってからの感染はほとんどないのが特徴です。
そのため、ピロリ菌と接触することがあっても、濃厚に接触しなければ大人はほとんど感染しません。
たとえば医療従事者(特に胃カメラなどに携わる内視鏡医)は感染率が高いことが知られています。
キス程度で感染することはありませんので、ご安心ください。

3.ピロリ菌はどうやって調べるのですか

・血液・尿で抗体を調べる方法
・便で調べる方法
・呼気で調べる方法
・胃カメラを使って、カメラ中に調べる方法
といった様々な方法があります。

当院は、主に、呼気、便、血液(採血)で調べる検査の3つを使い分けています。正確性・簡便性、除菌判定に使えるかどうかなどそれぞれの検査方法に特徴はありますので、使い分ける必要があります。普段の内服薬の種類や、持病によってどの方法で検査をするかを使い分ける必要があり、それぞれの患者さんに適切な方法を選択しています。
なお、当院院長はH. pylori (ピロリ菌)感染症認定医であり専門的な知識をもって診療に当たっていますので、ご安心ください。

4.ピロリ菌の検査はこどもにできますか

当院は18歳以上の方で採血検査、胃カメラ、除菌治療を行うことはできますので、18歳以上でピロリ菌感染がある人を、胃カメラ後に除菌できることになります。なお、旭川市では昨年から、20歳の人は健診でピロリ菌検査を受けることができるようになりました

なお、ピロリ菌が胃にいる、とわかっても、事前に胃カメラで癌の有無を見てからでないと保険診療では治療できません。
すなわち胃カメラをしないでピロリ菌の除菌はできない、ということになります(自費治療では可能です)。
『胃癌があるのに、ピロリ菌の除菌治療だけを行って治療終了となり、癌が重症化してしまうことを防ぐ』ためにそうしたルールがある、といえます。
また、除菌の内服薬は成人相当の体格になってからの開始が望ましく、高校生くらいからが大人と同じ内服治療が可能になります。
逆に体重からの換算が必要な年代の除菌治療は当院では対応が難しいです。専門施設とご相談ください。

5.ピロリ菌がいるかどうか調べたいのですが、どこの病院に行ったらいいですか

消化器科、消化器内科を標榜している(専門としている)病院やクリニックでピロリ菌がいるかどうかは調べることは可能ですが, 
保険診療でピロリ菌を調べられるか, 人間ドックの扱いになるかは,様々な条件があります。
原則, 何らかの症状がない場合は保険診療で調べる適応はないと考えていただき, 症状がない方は旭川市ではヘリコバクター・ピロリ菌の検診がありますので、それをご利用されるか、自費の人間ドックで検査するかになります。

6.ピロリ菌の治療、ながくかかるのでしょうか

ピロリ菌は1週間の飲み薬で治療でき、2種類の抗生物質と胃薬を1週間服用します。
タケキャブ(胃薬)、アモキシシリン(抗生物質)、クラリス(抗生物質)の3種類を朝夕、1日2回の服用ですが、
1回の治療で75%~90%の成功率と言われています。
※ なお、喫煙で除菌率は低下します。

7.ピロリ菌は一度治療したらもう出てこないのですか

はい、ほとんどの方は一度消えたら、出てきません。
ピロリ菌が消えることで胃がんリスクは下がりますが、ゼロになるわけではありませんので、除菌後は定期的な胃カメラによる検診をお勧めいたします。

8.ピロリ菌を除菌すれば胃がんになりませんか

胃がんになるリスク(危険度)は除菌で約1/3程度になり、10年で1%程度になると考えられます。しかし、よく勘違いされますが

『胃癌にならない』のではありません。定期的な胃カメラ(あるいはバリウム検査)による検診を必ず続けて受けられることをおすすめします。また、ピロリ菌除菌は、胃内にピロリ菌による変化が広まってから(高齢になってから)より、は若いうち、影響が少ない内に除菌した方が、胃癌になる可能性は低下します。早期発見、早期治療が望ましいと考えられます。

9.ペニシリンアレルギーがあるのですがピロリ菌治療できますか

ペニシリン系の抗生剤を使わない治療方法での治療は存在しますが、自費診療になります。

ピロリ菌の治療は, ペニシリン系の抗生物質、エリスロマイシン系の抗生物質を用いますが、これらの薬を飲んで今までじんましんが出た、息が苦しくなったなどのアレルギー反応がでたことがある方は当院では治療することができません。
※ 2019年3月現在, 自費診療でのピロリ菌除菌治療は当院では対応しておりません。

10.除菌治療をしたあとのデメリットはなにかありますか?

ピロリ菌の除菌を行ったあとは, 胃酸の分泌量が増え(といっても、正常に出るようになるだけです), 胃酸過多による逆流性食道炎の症状を起こす方が約 30%ほどいます。しかし, 症状は軽度, 一時的なことが多く, 食生活などを一時的に気をつけることで大半は乗り越えることができます。他には食事摂取量が増え (味覚が変化し, 味を感じやすくなり, 食事が”おいしく”なる方がいます),体重が除菌前より増える方もいますので、くれぐれも食べ過ぎには注意です.

いずれのデメリットも「胃がんになりにくい胃になる」という大きなメリットと比べてやると, なんとか乗り越えるべき症状であるといえると思われます.

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